LCCに注目するのは若者と富裕層――それぞれの理由とは!?

2012年3月28日 12:00







 2012年は日本の「LCC元年」――、昨年相次いで設立された日系LCC(ローコストキャリア・Low Cost
Carrier、格安航空会社)3社のうち、3月1日に、関西国際空港を拠点とする格安航空会社(LCC)「ピーチ・アビエーション」が就航を始め話題となりました。


 LCCは約15年前に欧米で本格化していたもので、ようやく日本でも!と、国土交通省は航空需要増の起爆剤に、空港は国際ハブ(拠点)空港を目指すきっかけに、とそろばん勘定が始まっています。
 たしかにこれまでの空の旅といえば、機内食などの過剰ともいえるサービスや座席は均一料金など、非効率、無駄が多いものでした。
 LCCの運賃は、関西空港-福岡線が片道3780~1万1780円、関西空港-札幌(新千歳)線は同4780~1万4780円。就航記念運賃は2路線とも一部座席は片道250円で販売というものでした。
 高速バス程度の運賃で都市間をつなぐというLCCのサービスは席が狭いなどのデメリットもありますが、不景気のご時勢では共感を得やすいのではないでしょうか?


 実際にどれだけの関心があるのでしょうか。株式会社ジェイティービー「LCC元年におけるLCC利用意向の消費者調査」(7529人より回答を得たWEBアンケート)によれば、「LCCをどれくらい知っていますか」という質問に対して、「よく知っている」が11%、「なんとなく知っている」が38%となり、合計49%が「知っている」と回答しました。いっぽうで、「興味がない」が4%と少なく、多くの人が関心を寄せています。






 「LCCに乗ってみたいですか」という質問に対しては、「乗ってみたい」が9%、「安い航空券がとれれば乗ってみたい」は33%となり、あわせて42%が乗ってみたいと回答しています。「目的地に就航していれば(既存航空会社と同じように)乗る」という、LCCをそれほど意識していない人が21%いました。いっぽうで、12%が「乗ってみたいとは思わない」と回答しました。
 また、年代により違いがあるのが特徴的です。どうやら、LCCは若い層に人気のようです。
 20 代以下では、「乗ってみたい」13%、「安い航空券がとれれば乗ってみたい」42%となり、全体平均(33%)を大きく上回っています。また「乗ってみたいとは思わない」が5%と、他の年代と比べて低いポイントとなり、利用意向が高いといえます。
 反面、70 代以上では、「安い航空券がとれれば乗ってみたい」の回答が、全体平均を5ポイント下回る28%となりました。全体的に、年齢が若いほどLCCに対する利用意向が高くなるという結果になりました。たしかにLCCの席の狭さよりも運賃の安さが魅力に感じるのでしょう。

「乗ってみたい」「安い航空券が取れれば乗ってみたい」「目的地に就航していれば乗る」という全回答者に利用の目的を聞いたところ(複数選択可)、「観光」が90%。次に「知人訪問」12%、「ビジネス」10%、「帰省」10%となりました。また、単独で「観光」を選択した人は70%となりました。

「LCCを利用して安く浮いたお金」の使い道を聞いたところ、「現地滞在の買い物や食事などで少し贅沢する」が55%。次いで「次回の訪問にまわす(訪問回数を増やす)」が27%、「貯蓄するなど、訪問先では使わない」が10%、「LCCでなければ訪問しなかったので、浮いたお金はない」が7%となりました。「LCCでなければ訪問しなかった」が7%となり、LCCが就航することで、新たな利用者が増えると見込まれそうです。また、全体の半数以上が滞在先での消費を増やすとしていることから、新たな需要が掘り起こせそうです。


 ●富裕層がLCCに大いに関心があり!

 また、LCCに対しては富裕(高収入)層のほうが関心が高いという結果もあります。
 ライフネット生命保険株式会社が全国の15~59歳の男女1000名にLCCについての認知状況と関心の有無について聞いたところ、「知っていて、とても関心がある」が11.0%、「知っていて、やや関心がある」が29.4%、「知っているが、関心が無い」が19.4%と、認知率は59.8%というものでした。
 興味深いのは、『関心あり』(「知っていて、とても関心がある」+「知っていて、やや関心がある」)の回答者を、年収別にみると、「300万円未満」34.9%、「300~500万円未満」42.4%、「500~1,000万円未満」47.4%、「1000万円以上」67.1%となったのです。所得が高ければ高いほど、関心が高くなりました。関心度の実態をみると、格安な航空運賃のLCCに富裕層がより熱い視線を注いでいるようです。察するに、富裕層ほどビジネスにプライベートに飛行機を頻繁に利用するだけに、交通手段の選択肢が増えることに魅力を感じているのではないでしょうか。

 また、これまでに海外のLCCの経験者は約6%(58名)。この利用経験者(58名)にどのくらいの飛行時間の渡航であれば、LCCを利用したいか聞いてみると、「4時間以内」(ソウル・台湾・北京など)を選択した割合が、プライベートでの利用経験者では49.1%と約5割、出張での利用経験者では61.5%と6割強となりました。LCCを利用するニーズは中・近距離の渡航に集中するようです。これからは近距離はLCCという時代になりそうです。
(松井克明
CFP)
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