「不動産」としての無人島

2012年6月29日 15:00




今年の4月、石原慎太郎・東京都知事がアメリカ・ワシントン市内の講演で、領土問題で何かと話題になっている尖閣諸島の一部(魚釣島、南小島、北小島)を、東京都が購入する計画を立てていることを発表した。都が公募している購入寄付金は6月20日現在で12億円を超えており、国民の間でも大きな関心が寄せられている。

無人島を買う、という東京都の意外な発想に、「不動産としての無人島」にも注目が集まっている。テレビや漫画ではおなじみの無人島だが、不動産として無人島を考えたとき、それはどんな特徴を持っているのだろうか?

まず、無人島の購入する場合の目的だが、基本的には資金に余裕のある富裕層が、自分自身の楽しみのために購入することが多いようだ。国内外の無人島販売を行うアクアスタイルズの佐藤氏によると、「誰からも邪魔されない場所が欲しい、という目的で購入される方が多いようです」とのこと。また、船やクルーザーを所有している人が、目的地や停泊場所として購入したり、子供への資産として残したりするケースもあるのだとか。

現在アクアスタイルズで紹介されている無人島の価格を下の表にまとめている。価格はだいたい、数千万円~数億円程度。島を丸ごと購入するだけあり、普通に買えるシロモノではない。

しかしながら、過去のケースで、400〜500万円程度で販売されていた海外の無人島もあったらしく、価格は島の大きさや立地により様々であるようだ。

現在アクアスタイルズが取り扱っている中で最もお手頃な島は、アメリカ・ニューヨーク州にあるナオミ島で、その価格は133,000USドル(1,071万円、1USドル=80.53円で計算)である。

マンションなどの不動産物件の場合、資産運用の一環として購入するケースもあるが、無人島でも、同じような目的で購入される場合はあるのだろうか? 佐藤氏によると、「節税対策の一環で購入される方はいますが、純粋に投資を目的として購入するケースは非常に少ないかと思います」とのこと。

名前の通り、無人島には人が住んでいないのだが、アクセスが不便だったり、ライフラインが整っていなかったりなど、人が住まないのにはそれなりの理由があるため、投資対象としては不向きのようである。

ただし、「特に海外には、家があり、電気や水道も利用できる無人島が割と多いのですが、例えばそのような無人島を、より快適に過ごせるようにさらに開発することで、不動産としての価値を高めることができれば、転売により収益を得られる可能性はあるかもしれません」とのこと。 いずれにせよ、無人島の開発には、材料やら機会やら、何から何まで持ち込む必要があるので、一筋縄ではいかないことは確かである。

不動産投資のマッチングを行うウェブサイト「楽待」では、今年の5月から日本の無人島物件の紹介を行っている。そのキャンペーンの一環として、無人島を投資対象と考えたときに、どのような事業が考えられるかを、公募により募集しているのだが、例えば、「若者向けのリゾート地として開発する」「『無人島サバイバル』などのテレビや映画の企画のために貸し出す」といったアイデアが出てきているそうだ。

ただし、実現のためには課題も多く、人が最低限生活できるだけの水や電気などのインフラを整えるために、ある程度の投資が必要になるのだそう。

ちなみに、先に紹介した事業アイデアのうち、「若者向けのリゾート開発」についてオススメの無人島としては、沖縄のウ離島(うばなりじま)、和歌山県の小鞠山島(こまりやまじま)。どちらも、キレイな砂浜があり、アクセスも良好というのがその理由。気になるお値段は、ウ離島が5億円、小鞠山島は1.5億円也。庶民には、なかなか縁遠い話のようです……。


<参考URL>

アクアスタイルズ

http://www.aqua-styles.com/
不動産投資の楽待
http://www.rakumachi.jp/

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